コラム・飲食店・2026年10月26日
飲食店の売上と原価率を閉店後5分で把握するやり方【社長向け】
結論から言うと、毎日見る数字を「売上」「仕入れ」「客数」の3つに絞れば、閉店後5分でお店の状態はつかめます。細かい原価の計算は、月に1回で十分です。毎日は「いつもと比べて、おかしくないか」を見るだけにしましょう。
原価率とは何か
原価率とは、売上のうち、材料の仕入れに使ったお金の割合のことです。計算は「仕入れ ÷ 売上」です。たとえば売上が10万円で、仕入れが3万円なら、原価率は30%になります(数字はわかりやすくした例です)。
また、売上から原価を引いた残りを「粗利(あらり)」といいます。家賃や人件費を払う前の、お店に残るお金のことです。原価率が下がれば、粗利は増えます。
原価率の目安は、お店の業態やメニューによって大きく違います。他のお店と比べて一喜一憂するより、自分のお店の数字が、先週や先月より上がっていないかを見るほうが役に立ちます。
毎日の原価率は「目安」でよい理由
本当に正確な原価率を出すには、月末に在庫を数える「棚卸し」が必要です。これを毎日やるのは現実的ではありません。
さらに、仕入れは日によって偏ります。たとえば週末に備えて木曜日にまとめて仕入れると、その日だけ原価率が高く見えます。反対に、仕入れのない日は原価率が低く見えます。
ですから、1日だけの数字で慌てる必要はありません。見るべきなのは、1週間や1か月の流れです。毎日の記録は、その流れを見るための材料だと考えてください。
閉店後5分でやること
レジ締めのついでに、次の3つだけを記録します。
- その日の売上の合計と、お客さんの数
- その日に仕入れた金額(納品書やレシートを見て合計する)
- ひとこと メモ(雨だった、団体さんが来た、品切れが出た、など)
記録したら、電卓で「仕入れ ÷ 売上」を計算します。これがその日の原価率の目安です。さらに「売上 ÷ 客数」を計算すると、お客さん1人あたりの金額(客単価)がわかります。
最初は、手書きのノートや表計算ソフトでかまいません。大切なのは、道具より「毎日同じ時間に同じことをする」ことです。
続けるための3つのコツ
記録は、始めるより続けるほうが難しいものです。次のことを意識すると、長続きしやすくなります。
- レジ締めと同じタイミングでやると決める。「あとでまとめて」は、たいてい忘れます
- 項目を増やさない。最初は3つだけで十分です。慣れてから足しましょう
- 納品書とレシートは、その日のうちに1か所へまとめる。翌日になると、どれがどの日のものか分からなくなります
数字の変化をどう読むか
毎日の記録がたまると、変化に気づけるようになります。変化があったときは、次の点を確認してみてください。
- 原価率が上がった場合は、仕入れ値が上がっていないか、食材を捨てすぎていないか、盛り付けの量がばらついていないかを見る
- 売上が下がった場合は、お客さんの数が減ったのか、1人あたりの金額が減ったのかを分けて見る
- 客数は同じで客単価が下がった場合は、ドリンクやサイドメニューが出ているかを確認する
原因が分かれば、手を打てます。たとえば、よく捨てている食材があるなら、仕入れる量を減らす。盛り付けにばらつきがあるなら、量りやスプーンで基準をそろえる。こうした小さな改善が、粗利を守ります。
週1回、月1回の見直し
毎日の記録に加えて、見直しの日を決めておくと効果が上がります。
- 週に1回:1週間の売上と仕入れを合計し、週の原価率を出す
- 月に1回:棚卸しをして、実際に使った材料の金額から、月の原価率を出す
月の原価率が、毎日の目安の平均と大きくずれていたら、記録漏れや在庫の数え間違いがないか確認しましょう。
なお、決算や税金に関わる数字の出し方は、会計のルールで決まっています。日々の目安とは違う場合があるため、最新の内容や自店に合った処理は、税理士など専門家に確認してください。
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