コラム・中小企業・2026年11月2日
会社のお金や社員情報をクラウドに預けて大丈夫?確認したい5つのこと
結論から言うと、クラウドは「預ければ安心」でも「預けたら危ない」でもありません。大切なのは、預ける前に確かめるポイントを知っておくことと、社長ご自身でできる守りを足すことです。
危険は、どんなやり方でもゼロにはなりません。紙の書類や社内のパソコンにも、盗難、火事、故障、入力ミスの危険があります。だから「危険をゼロにできるか」ではなく、「危険を小さくする工夫が重ねられているか」で見るのが現実的です。
まず知っておきたい、社員情報の基本
社員の住所、給与、マイナンバーなどは個人情報です。会社には、これらを安全に管理する責任があります。外部のサービスに預ける場合も、そのサービスがきちんと管理しているかを見る必要があります。
法律や制度の細かい決まりは変わることがあります。最新の内容は、所轄の役所や専門家(税理士・社労士)に確認してください。
確かめたいこと1:データがどこで、誰の管理で置かれているか
まず、データが置かれている場所と管理する会社を確かめます。自社でサーバー(データをしまっておく専用のコンピューター)を持たず、専門の事業者が管理するクラウドを使っているサービスもあります。
あわせて、データが日本国内にあるか、一部は海外で処理されることがあるかも見ておきましょう。海外で処理されることがあるからといって、すぐ危ないわけではありません。ただ、何がどこで扱われるのかを、サービス側が説明しているかどうかが大切です。
確かめたいこと2:通信と保存データが暗号化されているか
暗号化とは、データを第三者が読めない形に変えることです。確かめたいのは、次の2つです。
- インターネット上を行き来する間(通信中)の暗号化
- 保存されているデータ(保管中)の暗号化
通信だけ、保存だけという場合もあります。両方に対応しているかを、サービスの説明ページで探してみてください。
確かめたいこと3:他の会社のデータと分けられているか
クラウドは、たくさんの会社が同じサービスを使います。そのため、自社のデータが他の会社から見えない作りになっているかが大事です。
また、自社の中でも、全員が何でも見られる状態は避けたいところです。給与の情報は社長と経理担当だけ、というように、見られる人を絞れるかも確かめましょう。
確かめたいこと4:ログインを守る仕組みがあるか
情報が外に出る原因で多いのは、システムが破られることよりも、パスワードが知られてしまうことです。そこで役に立つのが二段階認証です。パスワードに加えて、スマホに届く確認コードも入力する方法で、パスワードが知られても、すぐには入られにくくなります。
社長がすぐできることは、次のとおりです。
- 二段階認証が使えるなら、まず社長のアカウントから有効にする
- 他のサービスとパスワードを使い回さない
- 退職した人のアカウントは、その日のうちに止める
- 見られる範囲は、仕事に必要な人だけにする
- パソコンやスマホの更新は、通知が来たら後回しにしない
確かめたいこと5:バックアップと、弱点が見つかったときの対応
機械は壊れますし、操作を間違えてデータを消すこともあります。そのときに備えて、バックアップ(予備の控え)が自動で取られているか、何日分残るのかを確かめましょう。
もう1つ大切なのが、弱点が見つかったときの対応です。サービスは多くの部品を組み合わせて作られていて、その部品の弱点(脆弱性)が世の中に公表されることがあります。公表されたときに、すばやく直す体制があるかどうかで、安全さには差が出ます。
迷ったときの進め方
全部を一度に確かめる必要はありません。次の順番で進めると、負担が少なくなります。
- 気になるサービスの「セキュリティ」や「データの取り扱い」のページを探す
- 上の5つについて、書いてあるかを確かめる
- わからない言葉は、問い合わせ窓口に聞いてみる
- 使い始めたら、社長自身の二段階認証とパスワードを整える
問い合わせたときに、わかりやすく答えてくれるかどうかも、判断の材料になります。
采配のセキュリティとデータの取り扱い
采配は、アプリのサーバー(Vercel)とデータベース(Supabase。Amazon Web Services の東京リージョン)に、専門の事業者が管理するクラウドを使っています。自社でサーバーは置いていません。データベースと写真・添付ファイルは日本国内(東京)に保管しています。ただし、AIの処理・メール・決済・LINE送信は、それぞれの事業者に必要な分だけ預けるため、国外で処理されることがあります。通信はすべて暗号化(TLS)し、保存したデータも暗号化しています。会社ごとにデータを分け、他の会社のデータは読めない作りで、データベースには行単位のアクセス制限もかけています。
ログインは二段階認証に対応していて、設定 → セキュリティ から有効にできます。使っている部品の脆弱性が公表されると自動で検知して更新し、毎週すべての部品を自動点検しています。2026年10月26日にも、使っている部品(Next.js)の重大な脆弱性をすぐに修正しました。データベース全体は毎日自動でバックアップし、7日分を保管しています。写真・添付ファイルは、複数の設備に自動で複製される保管サービスに保存しています。危険をゼロにはできないからこそ、対策を重ねています。くわしくは、采配のホームページの「セキュリティとデータの取り扱い」のページで公開しています。14日間、プロプランの対象機能を無料で試せます。カード登録は不要です。